2000年9月
「バイオマス」
秋風が吹いて過ごしやすい季節となりました。
今年の夏は、とびきり暑い夏でしたね。涼しい快適な秋を待っていました。夏が暑いのは当たり前にしても、なんだか最近の夏は、暑さが異常です。地球温暖化で、北極の氷も溶け始めているなんていううわさも聞きました。いよいよ日本沈没でしょうか(苦笑)。
8月のもっとも暑い盛りに、チェコ人が2人援農にきました。環境問題、環境保護が専門分野のようですが、日本の農業にも興味があるのだそうです。35度にもなる炎天下、麦わら帽子をかぶって一緒に田の草取りをします。「ふー、暑いね.。でも大丈夫。チェコにも草取りはありますよ」・・・・吹き出る汗と暑さで、顔面を真っ赤にしながら黙々とがんばります。
減反で休耕していた田んぼを復田すると、雑草が生えやすい、という話から、減反制度を細かく説明する羽目になってしまいました。
「減反、減反と休耕しないで、何か有効に利用する方法はないかなあ」「・・・・太陽光線、太陽熱の利用は? あとは、木材から電力を作る」
「えーと、バイオマス!!」「そう、バイオマス」
お米から酒(アルコール)を作りそれを燃料として自動車を走らせる、そんな夢物語のような話を、バイオマスとして聞いたことがあります。石油を使わない省エネルギー、資源を循環させ、地球にやさしいバイオマス。
石油の使いすぎは地球温暖化と関係があるかもしれません。石油のない私達の生活を想像してみましょう。石油がなければ自動車も動かない、電気は送られてこない。冬は暖房にも不自由します。もし何かの拍子で石油が使えなくなったら、あっという間に50年前の不便な生活に逆戻りです。電気がなくちゃ、それこそ困りますよね。でも今と同じようにこれからもエネルギーを、石油と原子力にだけ頼っていていいものでしょうか。
数年前、南スペインの農村を旅行した時、室内暖房がすべて薪ストーブだったのを思い出しました。たき木は建築廃材、それが燃料です。石油は使いません。建築廃材を使って暖をとる・・・私はビックリしました。ヨーロッパは進んでいますね! なんと環境先進国スウェーデンでは、エネルギーの20%がバイオマスからなのだそうです。援農のチェコ人が教えてくれました。「ヨーロッパには太陽が少ないよ。日本には太陽がいっぱいあるじゃないか」
冬になると石油ファンヒーターの世話になる日本農民は、もう少しバイオマスについて知りたいと思っています。私達の農村にも、樹木の下枝やモミがらなど資源と呼べるようなものは本当にたくさんあるのですから。
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