「敵か味方か」

 朝。玄関の開いていたドアから、ツバメが迷い込んできました。食事中の頭の上を旋回すると、そのまま奥の部屋へ。ちょうちょやハチやトンボはともかく、鳥が家の中にまで入ってくるのは珍しいことです。普段、空の下で見るツバメは、すばしこくてスピードがありますが、部屋の中ではスピードも出せず、バタバタするだけです。まじまじと見る機会もあまりないので、これ幸いとよーく観察しました。黒い羽に赤いアクセント、毛並みのいいきれいなツバメです。ツバメは人家の軒先にも平気で巣を作りますから、人間をあまりこわがらないのでしょう。のんびりとしたもんです。
 それでも、窓を開けたらスーとすべるように外へ出てゆきました。
 さて、問題です。
 ツバメを逃がして、よかったのでしょうか。それとも捕まえるべきだったのでしょうか。部屋を締め切りにすれば、つかまえるのは簡単でしたが、なぜかそうしませんでした。あなたなら、どうしますか。
 では、また問題です。ツバメは敵でしょうか、味方でしょうか。
 結構、敵味方があるんです。たとえば、ツバメに似ているスズメ。これは敵か味方か。これは、敵です。完全な敵です。では、ハト。平和の象徴であっても、敵は敵。それから青サギ。これも敵。
 では、とんび。これは味方。さらには、カモ。これも味方。
 ご存知のようにスズメは、稲穂を食い荒らす悪い奴です。ハトも同じ。ハトは畑にまいたタネをほじくり出して、食べます。サギは稲を倒して、田んぼをめちゃくちゃにします。
 それに比べれば、カモはいい奴ですよ。頼んでもいないのに、田んぼの中を動きまわって、稲の株元を動きまわって害虫を食い、水をかき混ぜて除草までしてくれます。カモ、大好きです。ツバメやとんびはそこまで行きませんが、食物連鎖の上位でバランスをとる役割を担っています。人間が大事に育てているものを食べたりつぶしたりしません。
 クモとトンボも私たちのつよーい味方です。クモは田んぼでクモの巣を張って、害虫を片っ端から食べてくれます。クモの多い田んぼは虫の害は出ません。だから、田んぼの中のクモの巣、僕は大好きです。もちろん、家の中でクモを見つけても、窓からそっと逃がしてやります。絶対に殺しません。味方ですから。トンボも、幼虫のヤゴといわれる時、水の中を動いて、除草をしてくれます。カエルと同じです。ですから、トンボも殺してはなりません。
 敵か味方か、はっきりあるんです。ねずみやモグラ、こーれは完全に敵。特にねずみは、もう目のカタキ。それを食べるヘビは、敵の敵だから、これは味方。僕はヘビはかなり苦手ですが・・・。

 

 



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