「いもちに強いコシヒカリ」

 「イモチ病」は空気中にいる「イモチ菌」が稲に付着して病気を発生させる稲にとって大変に恐ろしい病気です。

 「イモチに強いコシヒカリ」は、そのイモチ病に強いコシヒカリとして開発された品種です。病気にかかりにくい稲にすることで、田んぼから農薬を減らせることが特徴です。農薬を減らすための地域(県)全体の取組みとして、「新潟産コシヒカリ」の全面的なタネの入れ替えが行なわれます。

 秋山農場でも農薬を減らして、品質の良いおコメを作るための取組みとして「イモチに強いコシヒカリ」を入れることにしました。食味が従来のコシヒカリとは若干違うと懸念されていますが、試験圃場での試験や、食味鑑定を繰り返しての切り替えです。コメ作りをしているものとしても、農薬を減らし、環境にも人にも優しいコメを作ることに賛同しております。

 病気に強い品種になったと言っても、遺伝子組換えではありません。
遺伝子組換えとは、噛み砕いて分かりやすく言うと、ある生物の遺伝子を、別の生物に直接埋め込んで一つの品種をつくるものです。
例えば、人間はいもち病にかかりません。だから、人間の「いもち病にかからない」遺伝子を、イネの遺伝子の中に直接組み込んで、いもち病に全くかからないコシヒカリを作るとします。これが、遺伝子組み替え植物です。

 それに対して「イモチに強いコシヒカリ」は、戻し交配という技法を用います。
 お父さんと、お母さんがどちらも「コシヒカリ」では、生まれた子供はもちろん「コシヒカリ」になります。その場合、コシヒカリの良い特徴も、悪い特徴(病気に弱い・倒れやすいなど)もそっくり受け継ぎます。「イモチに強いコシヒカリ」は、コシヒカリが持っている特長のひとつの「イモチ病にかかりやすい」という悪い特徴を軽減するために、「今年植える種」のご先祖様に、イモチに強い品種をかけたものです。
 家系図にすると、
 母親が、コシヒカリ。父親が別のイモチに強い品種。
その子(F1)を父親に、母のコシヒカリと交配する。
その子(F1B1)を父に、母のコシヒカリをもう一度交配する。
その結果、ある種類のいもち病に強いコシヒカリが誕生するわけです。
 これを、戻し交配といい、5〜6回「コシヒカリ」を交配すれば、品種の特徴が「コシヒカリ」と同質になります。

 種が昨年と変わりますが、もちろん、今までのような病気になりにくい、稲の力でぐんぐん育つ丈夫な稲を育てていく栽培方針は、今年も変わりません。田んぼの雪が融けてきました。今年のコメ作りが始まります。皆様今年もよろしくお願い致します。




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