「求人広告についての広告」

 アフコのほうで求人広告を出しています。
 アフコは、秋山農場の生産部門も請け負っているので、田んぼや畑で働く農場スタッフを主に募集しています。ですから、アフコの求人広告に応募してきた人が、秋山農場の田んぼでコメを作ることになります。
 求人は数年前から続けていますが、応募のほうは日本全国から、絶えることなくずうーっとあります。(あ、外国人もいましたね・・・) 
 「景気が悪くなると農業志望者が増え、景気が良くなると志望者は減る」との分析を、『さらば東京! 就職フェア』というUターンIターン相談会を開催している方からうかがったことがありますが、私の実感としてそんなことはありません。このところ景気はやや上向きですが、求人への志望者・応募者は減っていません。なので、農業志望や田舎暮らしは、一過性のブーム、または景気の情勢に左右される調整弁ではないようです。「さらば東京! 脱都会」は、はっきりとした人の流れになっていると感じています。
 求人広告には、給料だとか、休日だとか、交通費だとか、待遇だとか、学歴性別年齢だとか、法律上、書かなきゃいけないことがたくさんあります。でも「本当に書きたいこと」を書く欄が、なぜか広告の紙面にはあまりありません。で、本当に書きたいことを、この場をお借りして、広告したいと思います。(農場のイメージ広告ではありますが、決して求人広告ではありません・・・あしからず!?)
 応募者の半分くらいは、「夢」「脱都会」=田舎暮らし=農業、と考えているようです。ただ、そういう人は申し訳ないのですが、私たちが希望しているスタッフではありません。おそらく、仕事は仕事で持ち、ちゃんと働きながら、趣味として農作業を週末にするのが良いように思います。のんびりと・静かに・田舎で・余生を過ごす・・・それはそれで結構な考えですが、農業で食べていこうというのには、ちょっともの足りません。
 私自身も「新規就農者」です。埼玉県出身で、新潟のこの地に落下傘で降り立ったようなものです。身寄りも親戚もいません。だからいつも考えます。夢=田舎暮らし=農業、という図式が成り立つのなら、なぜ離農する人がこんなにいるのでしょうか? 農業で食べていけない人が続出するのでしょうか?
 そんなわけで、「田舎暮らしにあこがれている人」「都会の生活に疲れた人」「自然と触れ合うのが農業だと思っている人」は、お断りしております。
 一緒に働きたい人の例は、例えば「確かな技術をつかえる人」。「将来を見据えて、ベンチャービジネスで働きたい人」。「新しい農業のビジネスモデルを実現したい人」。「農業の変革期を(変革期なのです)、チャンスと思える感性のある人」。そんな人たちです。

 これまで就農や農業体験を希望するたくさんの人がやって来て、お会いしたり、一緒に田んぼに出たりしました。豊かな経験をお持ちの人、おもしろい考え方をする人、いろんな人がいます。9月は中旬から稲刈りが本格化します。今年も、「農業体験をしたい人」「研修生希望」の方々も一緒に、田んぼに出て農作業をします。お天気仕事のなかで、田園生活の空気や収穫の喜びを味わって欲しいと思います。そして、人生の転機のようなものまで、感じ取っていただけたら存外の喜びであります。人間が作物がそだてる場所は、人間自身が、学び成長する場所でもあると信じています。




HOME

Copyright (C)1997-2005 Akiyama-farm. All rights reserved.

このホームページ上に掲載されているすべての画像・文書などの無断転載を禁じます。