「GMとBSE」

 どうしてこんな呼び方になってしまったのでしょうか。いつのまに?
 GMとは自動車メーカーではなく、「遺伝子組み換え」のことです。
 それから、BSEは「狂牛病」のことです。
 英語を使うメディアならともかく、なぜ日本の日本語を使うメディアまでがGMとかBSEとか、アルファベットを使うのでしょうか? 新聞で狂牛病ではなくBSEと書かれているのを見ると、いつも不思議に思います。いわゆるメディア戦略でしょうか? 国鉄は民営化してJRに、農協はJA、親しみやすさを売るためにアルファベット2文字にしました。他にもATMとか、ETCとか英語で短く省略して言う日本語も多いです。でも十分に意味は通じます。
 じゃあ、BSEって意味は通じる? GMって何のことか分かる? すっと理解できないのではないでしょうか。というか、わざと理解不明にしているのか? あいまいにしておかないと都合の悪い人がいるのでしょうか。
 豆腐や納豆を買いに、スーパーやデパートに行くと、並んでいるほとんどの商品に遺伝子組み換えでない大豆使用と書かれています。ではそれは本当なのでしょうか。日本の大豆の自給率は10%以下です。年によっては5%も切るほどの量です。9割から9割5分は輸入大豆です。そのうちアメリカからの輸入は半分以上。しかしその多くが遺伝子組み換え大豆です。つまり日本国内の消費量のうち、半分はGM大豆ということです。豆腐、納豆、味噌、しょうゆ。日本の食卓に大豆製品は欠かせません。日本国内にある原料しての大豆。混入の心配はないのでしょうか。GM大豆不使用とラベルに大書きするには、調達ルートから農場・生産者までさかのぼらなければ、どこかで混入してしまうかもしれません。
 結局、生産者まで特定できないかぎり、私たちはGM大豆を食べていることになります。いや実際、確実に食べています。なぜならラベル表示には、またまた理解できないおかしなルールがあって、5%までの混入であれば「遺伝子組み換え大豆は使っていません」と表示していいことになっています。これ何よ?うさんくさくない? 普通は「GM大豆不使用」と書いてあれば混入ゼロだと思うよ。少なくとも小学校の算数では、「使っていない」は「5%まで認める」とは、まるで違うはず。大人はなんでこういうズルイことを考えつくのでしょう。
 当然、原料の流通ルートを調べたり、出来上がった製品を厳密に分析したりする人達が出てきて、調査をしていくと、GM大豆の混入率は5%を大きく超えている事例がたくさん出てきます。当たり前ですね。原料大豆の半分がGMなのに、製品のほとんどがGM大豆不使用なんてわけがないんです。
 アメリカからの牛肉輸入再開も、だんだんとあいまいになってきました。BSE(狂牛病)は、直ちに死者が出るということもあって、検査はだんだんと真剣で緊迫感のあるものになりつつありますが、それでもアメリカの輸出業者の態度はかなりいい加減です。輸入差し止め、再開、もう一回停止。ここ1年くらいの流れを見ると、食の安全についてモラルが欠けているのは明らかです。日本語でなく英語で、BSEやGMとむずかしい言葉を使うのも、目くらましの意図があるのでしょうか。ズルイ大人のほかにワルイ大人もきっといますね。
 近所の農業仲間は、国の試験場を相手取って裁判をしています。遺伝子組み換えについての栽培研究を止めるよう訴えています。いろんな人が、食の安全のために自分のできることをしています。現在アフコで販売している味噌は、嘘いつわりなく100%秋山農場産の大豆を使用しています。もちろんGM大豆混入ゼロです。ぜひご購入ください。最後は宣伝になりました。私のできることは、安全な食品を宣伝・紹介するくらいです。
  




HOME

Copyright (C)1997-2006 Akiyama-farm. All rights reserved.

このホームページ上に掲載されているすべての画像・文書などの無断転載を禁じます。