「ドジョウとトンボ」

 6月に降らなかった雨が、7月にまとめて降りました。
 7月に入ってすぐに降り出した雨は、1ヶ月ほぼ休むことなく降りました。
 さて、雨を一番喜んでいるのは誰でしょうか。まずは、カエル。カエルは雨が降ると鳴き、晴れていると静かなものです。雨の時に喜んでいるのが、音で分かるので一番わかりやすい。それからドジョウ。田んぼの中のドジョウは、田んぼの水がなくなると土にもぐっているか、水路に流されてしまうか、乾いて死んでしまうかなので、通常7月には一旦数が減ります。しかし、今年は田んぼの中でドジョウによく出会います。ドジョウにとっても、いい雨です。更には、トンボ。トンボの幼虫のヤゴは、水の中で成長するので晴れた日が続き、田んぼが乾いてしまうと成虫になる前に死んでしまうのですが、今年は雨のおかげで生き残ったヤゴが沢山いる様子。
 水田地帯のある一枚の田んぼの上には、トンボの群れがグルグルと弧を描いて飛んでいます。ヤゴがトンボになる時は、同じ場所(一枚の田んぼ)でいっぺんに羽化します。そして、羽がきれいに伸びるとその田んぼの上でしばらく飛ぶ練習?をしているかのように群れで飛び、そして午後にはいなくなってしまいます。おそらく、めいめいの次の産卵場所を探しに飛んでいくのでしょう。今年は明らかにトンボの数が多いので、トンボもこの雨を喜んでいる一人です。

 反面、雨が降って、困っているのは誰でしょうか。まず人です。洗濯物が乾かないし、雨ばかりだと気分もふさぎます。それから畑の作物も、実のなるものは、水分を取りすぎて実が割れてしまったりします。葉もの野菜は大きく成長するので、良いようですが、「濃い味」にはなりません。
 米はどうでしょうか。7月の雨を米はあまり喜んでおりません。日照時間と気温が足りないのです。米は気温を積算して穂を出し、実を充填し、米の粒が大きく固くなるのですが、7月中は米にとって明らかに気温が低かったので穂がつくタイミングが遅れています。
 7月は気温が低いため穂の成長が遅れていても、春の気温と6月の気温は高かったので、茎の長さはすでに長いくらいに成長しています。その為、遅れて実がつくと倒伏の危険も出てきます。収穫も、例年よりも遅くなりそうです。
 
 長雨は、エルニーニョの影響だと、ニュースでやっています。気象庁は冷夏を予想するものの、ある業界新聞では、エルニーニョが発生しても日本には冷夏要素なし、と出ています。過去のデータを調べると、エルニーニョでも猛暑の年があったそうです。確かに、我々もそっちの予報を信じたいのですが、ちょっと希望が強い予報のような・・・。

 先日、夏休みのプール当番に行って来ました。今にも雨の降りそうな曇り空の下、たくさんの子供たちが元気一杯にプールで泳いだり、遊んだりしています。太陽が顔を出さなくても、子供はみんな元気なのだなぁ、と感心してしまいます。

 さぁ、8月が始まります!太陽がお天気がなどとばかりいっていないで、大人も元気出していきましょう!




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