「サッカーに恋して」

 私の趣味のひとつにサッカー観戦があります。
 4〜5月といえば、春の農繁期で田植えやらなにやらでモウレツに忙しいのですが、
スタジアムで観戦するには最高の季節ですし、また大きな試合も目白押しなのでテレビ観戦も忙しくて、時間がいくらあっても足りない感じです。

 日本人プレーヤーも海外のビッグクラブで活躍していますし、もはや日本のワールドカップ出場も当たり前。スカパーでは、世界中のサッカー中継がリアルタイムで観られますが、まあどんだけ便利な世の中になったんだ、と感心することしきりです。
 先日は番組プレゼントに当選してしまい、スペインのマドリードから有名選手のサイン入りユニホームが届きました。世界がすごく近い、ということを身をもって実感しています。
 もっとも、ここ20年くらいで大きく前進したビジネスのうち、世界のサッカービジネスは大変な成長率を誇るそうです。インターネットやオイルマネーとの親和性も高いですから、まだまだ成長は続きそうですね。
 初対面の人に「農業をしています」と自己紹介すると「これから発展しそうな業界ですね」などと、お世辞とも励ましともとれるようなお声がけをいただくことが多いのですが、サッカー界の急成長にちょっとでもあやかりたいな、うらやましいなといつも思っています。

 基本は「がんばれアルビレックス」なので、時間をやりくりして、Jリーグ観戦にも行きます。ただしJリーグはこのところ伸び悩みで、観客動員も資金も増えていません。一時は4万人がぎっしり入ったアルビのスタジアムも今は2万人がせいぜい、空席が目立つようにもなりました。
 まあワールドカップ5大会連続出場の常連とはいえ、日本は世界ランクは50位前後ですし、アジアの大会では国別対抗戦(アジアカップ)も、クラブ対抗戦(ACL)も、最近は早期敗退が多く結果が出ていません。それと関係してか、トヨタが30年以上も続けてきた「トヨタカップ」の冠スポンサーから撤退しました。成熟期というべきか、人気停滞というべきか、日本のサッカー界も曲がり角に来ているのかもしれません。

 長野県の松本にもJ1のクラブがあり、また長野市もJ3ながら今年1万5000人収容のスタジアムを新設し、それぞれ地域を盛り上げています。隣の県まで行楽をを兼ねて遠征にも行きます。
 長野県と新潟県は「信越」というくくりで、関東地方でもないし中部地方とも言い切れない、微妙な位置関係を共有しています。また歴史的にも、上杉謙信と武田信玄が川中島で戦ったり、敵に塩を送ったりと数々の因縁があり、ライバル関係は続いています。日本の政治経済は東京に一極集中ですが、県民性や地域の文化はそれぞれはっきりと違うため、サッカーチームのあり方や編成にも違いがでます。新潟には新潟の、松本には松本の、違うスタイルが存在します。
 私の見立てでは、県民性の違いは、気候の違いと農業・食生活の違いだろうと思います。寒いところ、暑いところ。水のあるところ、ないところ。稲作と畑作。魚と肉。
 歴史をひもとき、地域文化の違いに思いをはせながら、ビール片手に青空の下でグラウンドを眺めるのは最高の気分です。静岡や埼玉と県外出身の選手を集めても、雪国ではなぜだか「粘り強く、下手でもひたむき」のチームカラーに染まります。おもしろいものですね。

 われらがアルビは、今年も(?)調子があがらずに降格争いを演じそうですが、いつかはアジアの大会に出場してタイやベトナムやインドネシアなどの熱帯のチームと戦ってみたいものです。
 新緑の真っ盛りの田んぼで、そんなささやかな夢をみながら日々、トラクターを駆っています。



苗代では苗が育っています

タンポポの咲くあぜ


菜の花の土手 
 
スズメノテッポウの田んぼ。田お越しすると緑肥になります



春がやってきました



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