「肉とコメ」
2019年11月号

 
 稲刈りが一段落すると、無性にお肉が食べたくなります。
 焼き肉でも、ステーキでも、ハンバーグでも、何でもいいのですが、とにかく肉です。そして、肉を食べると、やっぱりご飯を食べたくなりませんか? ビール飲むから、ワインを飲んだから、ご飯は要らない、とは決してなりません。必ず、白いご飯が欲しくなります。
 昨夜は、ステーキ約300gに、ご飯を3杯食べて、お水も3杯飲みました。食欲爆発で、これをサッカー好きの僕は「4−3−3でハットトリック」と名づけました。肉が4、コメが3、お水が3です。あれ、何か足りないか?? でも、お肉を食べだすと、野菜もスープも漬け物も付け合わせも、あってもなくてもどちらでもよくなります。ひたすら肉と白いご飯だけあれば、それでいい。中学2年生の男子と、ほぼ一緒ですね。本当は中年のおっさんなので、生活習慣病とかコレステロールとか、口幅ったい大人の事情もありまして、たぶん野菜も食べたほうがいいのでしょうけれど、まあ、まあ、まあ・・・。

 ニンニクや玉ねぎのせいなのか、食欲も刺激されるし、なによりも元気が出ます。
 戻りガツオも、秋のサンマもいいけど、くだものも美味しいけど、やっぱり肉にはかなわない。俺は肉に生きる・・・。「何食べますか?」って聞かれて、「肉、肉ー!!」って答えると笑われちゃうんですけど・・・。別にいいか、笑われても。
 お肉と一緒に食べるのが、パンや麺類だとなんかしっくり来ません。焼き肉のときに、もし白いご飯がなかったら、ちょっとした事件でしょ? 
 「バーベキューのときは、たらふくビールを飲むから、さすがに白いご飯を食べずに終わるかな?」との夫の問いかけに「いや、焼きおにぎりを最後に焼いて食べるでしょ。しかも結構たべる」と妻。肉とコメ、組み合わせ最強です。

 食欲の秋。
 確かに、秋になると食欲が増すよなあ。昔の人はうまいこと言ったなあ、な〜んて、しみじみと感心していたら、「食欲の秋」に科学的な説明あったようで、最近知ってびっくりしました。
 食欲の秋は、セロトニンと関係があるのだそうです。
 ん?? セロトニン?? あの脳内物質の? 「睡眠」とか「幸せ」とかに関係の深い、あのセロトニン? ああ、俺に足りないやつだ。セロトニンがもうちょっとあったら、こんなに感情の起伏が激しくならずに済んだのに。ああ、もっと穏やかな人生が遅れたのに。俺といったら、幸せの量が決定的に足りないんだ。そっか、セロトニンか。
 晩秋になると日照時間も減るし、太陽の光も弱くなるので、人間の体内からセロトニンが減ります。その減少したセロトニンを補うために、良質のタンパク質とご飯を同時に摂取するのが、栄養学的には最高なのだ、とのこと。
 化学物質のむずかしい話はアレだれど、いや、いや、よくわかりました。肉とコメで、合ってた、ってことですね。ハイ「肉+コメ=幸せ」ってことですね。知ってましたよ、ハイハイ、もう、ずーッと前から。この式を科学的に説明できるって、いやはや驚きです。
 結局のところ、野菜嫌いで肉とコメしか食べない中学2年生の男の子も、幸せが足りないのですね。セロトニンを求めてるってことですね。
 まあね、学校だっていろいろあるわけだし、精神の安定を見つけるのは大変だよね。農業も大変だけど、学生さんも大変だと思うよ。

 野菜なんかなくてもいいさ、少なくとも今は。肉とご飯だけで、僕は幸せになれる。
 もうしばらくは笑われながら肉とコメを食べ続けて、チルチルミチル幸せの青い鳥を探してみようと思います。












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