「お茶の時間」
2020年5月号

   「コーヒーにする? お茶にする?」「そうねえ、どっちでもいいけど、どっちがおススメ?」
 「コーヒーは豆。お茶は葉っぱ。豆と葉っぱとどっちが好き?」 「豆は美味しいよね。えだまめとか、豆腐とか納豆とか、ソラマメ焼いたり、インゲン豆はさやを食べる・・。」 「小豆。あずきのアイス、あれは美味しい。葉っぱより豆のほうが高級かな。」 「いやいや、宇治金時っていう氷菓があるよ。あれは小豆と抹茶のコラボだ。豆と葉っぱが両方あるからいいんだよ。」
 コーヒー派は、大体いつもコーヒーで、お茶の人は、いつもお茶。まあ、いつもの顔ぶれなら聞くまでもありません。 「お茶にも、黒豆入れたりするね。あと、玄米茶やそば茶ってのもある。あれは実だな。薫り高い。」 「葉を食べる、根を食べる、実を食べる、茎や花も食べる。でも実が、一番おいしいのかな、タネの部分・・。」
 「馬はさあ」「馬??」「馬は、葉っぱだけじゃなくてニンジンとかも食べるよね。草食動物っていうけど、根菜を食べてもいいんだ・・。」 「象は、ニンジンも好きだけど、リンゴはもっと好きだって。」「象も、草食系なんだっけ?」「・・・のはずだけど。草以外も食べるね。リンゴは甘いから好きらしい。」 「体も大きいしさ、葉っぱだけじゃ、お腹がすくんじゃないの?ニンジンやリンゴのほうが腹持ちいいしね。象って、毎日どんだけ食べるのよ?」
 私たちの今日のお茶請けは、クッキーとおせんべいと果物。
 「肉食の、ライオンとかは、ニンジンは食べないよね?」 「食べないんじゃない。あんまり見たことないなあ、サツマイモ好きのトラとか。歯磨きの代わりや、内臓の掃除のために、なんか口に入れることはあるだろうけど。」 「じゃ毎日、肉ばっかり食べてるんだ。肉、肉、肉、肉、相当な偏食だな。野菜を食べないと生活習慣病が心配だ。」
 「野生動物って、偏食でも、特に問題なくやっていられるんだね。」 「オーストラリアのコアラなんか、ゆかりしか、いや、ゆかりじゃなかった、ユーカリしか食べないし、中国のパンダだって、そう。何の葉っぱだっけ? あれしか食べない。それでも病気になったりしないし、栄養のバランスは問題ないんだろうね。」 「熊は色々食べるよ。栗とか、ハチミツとか、鮭も好き・・・」「おー、そうだ。人間と一緒で、雑食か。タヌキなら雑穀まで食べる。」
 「そうはいっても、コメや小麦を栽培して食べる動物は、さすがに人間だけだろ? サルの仲間なら、何かを栽培したりはできるの??」折れた茶、いや 俺たちは、農家さ、種をまくぜ、栽培するぜ。そこらのサルと一緒にしないでくれ。 「チンパンジーは、バナナをきれいに皮をむいて食べて、そのあと、その皮を人間めがけて投げつける。」 「確かに」 「カラスも賢い。ミミズやヘビから人間の弁当まで。クルミを割って食べるからね。あれは結構グルメだな。」 「近頃の犬はドッグフードを食べてるの? 手作りのディナーを食べるお犬様、って川柳があったよ。犬の食事は豪勢らしい。」 「生活習慣病が心配だな。やっぱり健康診断にも行くだろうね、犬だけに人間ドックって。」 「犬は、好き嫌いはしないのかなぁ。僕の友達にSってのがいてさ、これが野菜嫌いで。すごいんだよ偏食が。で、昔は、学校給食で、好き嫌いなく何でも食べましょう、ってメチャクチャ厳しかったじゃない。小学校のころ、給食を残すとさ、顔に先生がマジックで書くんだよ、トマトとかシイタケとか。今じゃ、子供の人権無視だって絶対に怒られると思うんだけど、昭和だからさ、あったんだよそういうの。額に黒々とピーマンとか書いてあるの、それが可笑しくてさ。夕方5時とかでも消えなくてさ、悲惨というか、間抜けというか、下校途中に噴き出しちゃう。でも、そのSは、いっつも元気で偏食でもなんの問題もなかったなあ」 「たぶん変わらないね、そういうの。今でも、ニンジンもアスパラガスも箸をつけないよ、きっと」 「好きなものしか食べなくても大丈夫かもね、人間も動物なんだし。」
 「植物ってさ、主食が、二酸化炭素と光って、すごくない? 光!」「おお、主食が光! 肥料と水っていうのは、理解できなくはないけど、主食が光かぁ。」 「でも、光に当たるとエネルギーもらえる感じはする」「僕らはみんな生きている〜♪ 生きているから笑うんだ〜 手のひらを太陽に〜♪」手のひらを太陽に向ける機会はそうはありません。ヒマワリになったつもりで、歌を歌いながら太陽に数分かざしてみましょう。殺菌もできますね。ひょっとすると植物の気持ちがわかるようになるかもしれません。手のひらを太陽に〜♪













HOME

Copyright (C)1997-2020 Akiyama-farm. All rights reserved.

このホームページ上に掲載されているすべての画像・文書などの無断転載を禁じます。