「ユニクロのタグとトンボの眼鏡」
2020年7月号
駅の改札で、スイカをかざします。(非接触でも)乗り降り駅のデータ管理や運賃の精算までできます。電波の届く距離であれば、かなりのデータのやり取りができます。
ユニクロにセルフレジができて、もう2年になるでしょうか? ご存知の方も大勢いらっしゃると思いますが、セルフレジの秘密は商品のタグにあります。1,980円などと書かれたあの紙のタグです。
僕は、自分でタグをはがして、ホントかどうか調べてみました。すると中から付箋のような小さな銀色の紙片、アルミホイルの切れ端が現れました。もちろんアルミホイルではなく、実体はデジタルデータをやり取りする「基板」というのでしょうか、マイクロチップのようなものです。
田んぼでは、いろいろな生物が活発になってきました。イネは次々と茎の数を増やし始めています。田植えをしたときには1本2本と数えていたのに、もうすっかりまとまった株になりました。ミジンコやタニシなども大変な勢いで増えています。今年はザリガニも多いです。
好天の日が続いて土が暖かくなっていることが影響しているかもしれません。虫も増えてきました。トンボや蚊トンボもわんさか飛んでいます。
トンボの羽って、雨に濡れないように見えるのですが、あれはなんでなのでしょう。小雨の中でも飛んでいるのです。雨に濡れたら飛びにくいはず、飛行姿勢も崩れるし・・。でも濡れない。雨の粒を避けることが出来るのでしょうか。トンボは複眼で見ているので、人間やほかの動物たちとは、見え方がまったく異なるのでしょう。
そして鉛筆くらいのサイズの大型のトンボは(何という名前かわかりません)、これはまるでオスプレイのように、直角に曲がったり空中で静止していることが出来ます。羽の付け根のところの筋力(?)が、小型のトンボとはちがうのでしょう。あの能力は驚異的です。
ネズミの体内に超小型のマイクロチップを埋め込む実験を、ネットで見ました。ユニクロのタグや、駅の改札の応用編ですね。小さなマイクロチップは、ネズミの脳波を読み取って、データをPCまたはクラウドに転送します。AIとの間で通信し、解析します。
そのデータを移動型の小型ロボットにつなげると、そのロボットは狭いところに入っていっても、障害物にぶつからないそうです。ロボットのセンサーが得る視覚情報とネズミの脳波の、リンクの完成です。すごいですよね。技術の進歩は驚きを通り越えて、恐ろしく感じます。
(生物の脳波とAIの連携というところが少し不気味です。が、ペースメーカーを心臓に埋めていると考えれば大差ないのかもしれません。)
もうすでに移動型のロボットとユニクロの倉庫は、合体しているのでしょうか。どんなに乱雑に商品が置かれているところでも、一切触れることなく検品や棚卸は出来ますね。商品をたたんで積み上げるロボットと組み合わせれば、無人で入荷、発送までできそうです。
虫取り網で、トンボをたくさん捕まえましょう。その頭のところに小さなアルミのテープを貼り付けましょう。さあ、準備は出来ました。もちろん薄い銀色のテープはAIとデータのやり取りをするための装置です。
そのトンボを田んぼに放せば、私たちの代わりに田んぼの観察をしてくれます。
「ピピピ、水が減って土が出ています」「ザリガニが土をかき回してくれています」そんなことを事務所のPCに音声で知らせてくれます。
「ピピピ、D地点のイネの茎の数は、平均で15本になりました」そうか、ふむふむ。順調だな。「B地点、イトミミズの繁殖が見られます。水温は25°程度と予想されます」いいぞ、トンボの眼鏡、最高だ。「ピピピ、明日は大雨の予想なので、一旦水を落とすべきと考えます」はい、そうしましょう。さすがAI、優秀、優秀。
「C地点、イモチ病の斑点が散見されます。確認してください」おお、それは、俺が出動しなきゃな。
「ピーピー、雑草の発芽があります。現在3p。至急処理してください」お、命令までするのか。「ピー、6日後に受粉になりますので、早くしてください」いや、やってるって。
「ピーーー。もっと早く雑草の処理をしてください」いや、目いっぱいやってるって。そんな24時間命令されても、体がもたないって・・。
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